小泉藩の藩士を調べるには

2026年の大河ドラマ主人公が豊臣秀長ということで、郡山にはこれから大河ドラマ館が出来るでしょうし、賑わいそうですね。番組終わりの紀行でお城の口餅や大納言塚、春岳院とか紹介されるのでしょうか。金魚以外で有名になってもらえそうで市民としては嬉しい限りです。現存天守は無いですが、説によると郡山城→伏見城→二条城→淀城と移築された可能性もあるようで、いつか解明されるといいですね。大河については「また戦国」という声も聞きますけど、今の中高生位だと豊臣ストーリーは新鮮に感じるだろうし、農民からのサクセスストーリーはきっとワクワクするんじゃないでしょうか。秀長は優秀な人だったであろうことは知られていますが、お金に細かい一面もあったとか。農民出身なのだし、そりゃそうでしょうとも思います。そして三好長慶や松永久秀、筒井順慶、藤堂高虎あたりはしっかり描かれて欲しいです。以前書いたように、「豊臣秀長の家老である羽田長門守が、小泉氏転出後の小泉の地に天正~文禄(1570~1590)頃、4万8000石で館を構えました(大和郡山市史本編P.365参照)」なので、小泉のことも少し位は出ないかなあと期待します。

さて、小泉藩士の後裔の方などが、ご先祖を調べていてこちらのサイトを見て頂くケースがあるようなので、個人名が掲載されている資料を一覧整理してみました。私自身は藩士の個人名リストを少しずつ作ってみているのですが、なかなか進まず、また、出来たところで公開するのもいかがなものかと悩んでしまっています。

ありがたいことに、江戸時代の分限帳は読み下し、活字化して大和郡山市史・資料集に掲載されているので、かなり調べやすくなっています。また、最近では奈良県立図書情報舘の電子版ライブラリーで多くを閲覧できるようになったので助かります。私はコロナ流行期間中にせっせと通い、現物を撮影させて頂いたのですが、貴重な古書を閲覧できることはありがたいことでした。虫食いも多くて触れるのにかなり気を遣いました。おそらくその頃以降デジタル化を進められたのか、今は通常では現物閲覧はできないようです。

下の一覧表のうち、私自身がコピーや画像の入手、または現物などで内容確認できていないのは「分限帳 天保八年」のみです。他に細かく一人二人の名が載っているものもありましたが、ある程度の人数がわかるとなるとこれ位かなと思います。小藩ながら幕末~廃藩頃の藩士は士分のみならず卒までわかるので調べ甲斐がありますね。名字から、何となくあの同級生のご先祖様かな、違うかな、など想像するのも面白いです。今後、他に見つけることができれば追記します。

西暦和暦資料
1658万治1年分限帳 万治元年改 (大和郡山市史)
1661寛文1年分限帳 寛文元年改 (大和郡山市史)
1666寛文6年分限帳 寛文六年改 (大和郡山市史)
1671寛文11年分限帳 寛文十一年改 (大和郡山市史)
1673延宝1年分限帳 延宝元年改 (大和郡山市史)
1677延宝5年分限帳 延宝五年改 (大和郡山市史)
1681天和1年分限帳 天和元年改 (大和郡山市史)
1685貞享2年分限帳 貞享弐年改 (大和郡山市史)
1693元禄6年分限帳 元禄六年改 (大和郡山市史)
1698元禄11年分限帳 元禄十一年改 (大和郡山市史)
1702元禄15年分限帳 元禄十五年午改 (大和郡山市史)
1706宝永3年分限帳 宝永三年戌改 (大和郡山市史)
1711正徳1年分限帳 正徳元年卯改 (大和郡山市史)
1716享保1年分限帳 享保元年申改 (大和郡山市史)
1721享保6年分限帳 享保六年丑改 (大和郡山市史)
1726享保11年分限帳 享保十一年午改 (大和郡山市史)
1731享保16年分限帳 享保十六年亥改 (大和郡山市史)
1735享保20年分限帳 享保二十年
1736元文1年分限帳 元文元年辰改 (大和郡山市史)
1741寛保1年分限帳 寛保元年酉改 (大和郡山市史)
1744延享1年分限帳 延享元年子改 (大和郡山市史)
1748寛延1年分限帳 寛延元年辰改 (大和郡山市史)
1751宝暦1年分限帳 宝暦元年未改 (大和郡山市史)
1756宝暦6年分限帳 宝暦六年子改 (大和郡山市史)
1760宝暦10年分限帳 宝暦十年辰改 (大和郡山市史)
1837天保8年分限帳 天保八年
1845弘化2年分限帳 弘化二年
1848嘉永1年分限帳 嘉永元年
1858安政5年分限帳 安政五年
1871明治4年元小泉県諸願伺届書類 明治四年 庶務課 旧県掛 兵士解体御届 
(リンク先P.69)
1871明治4年旧知事士族卒禄帳
(リンク先P.201)
1871明治4年卒履歴表
(リンク先P.305)
1872明治5年士族履歴表 元小泉県 明治2年11⽉から明治5年2⽉までの元⼩泉県⼠族の履歴書
1872明治5年壬申冬季分元小泉方貫属家禄人名帳
(リンク先P.84)
1875明治8年明治七年二月ヨリ八年五月ニ至ル 旧小泉県之部 家禄奉還願 戸籍掛
1875明治8年明治八年奈良県史料 官員履歴簿 ※デジタル化はされていません
1930昭和5年片桐といふ處 ※デジタル化はされていません

小泉藩の藩士を調べるには」への4件のフィードバック

  1. 幕末から明治にかけての小泉藩の貴重な資料を教えて頂き有難うございました。青年期の高祖父の名前を見つけてその存在を身近に感じる事が出来て感無量の思いです。激動の時代に藩士の方々が新しい人生を切り開いていかれるのには其々大変なご苦労があったと推測されます。それから資料の中に「苗字」と「名前」の間に『藤原』が入っているのは、どういう意味か、ご存知でしたら教えて頂けますでしょうか。

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    • coco様 コメントありがとうございます。
      ご親族を見つけられたとのこと、お役に立てて嬉しいです。当方も最初は先祖調べがきっかけでした。地元に今もお住まいの後裔の方も割といらっしゃいますし、ルーツを調べる手がかりになれば幸いです。
      お尋ねの『藤原』ですが、源平藤橘(源氏、平氏、藤原氏、橘氏)といった名家の流れをくんでいると誇示する意味合いだと考えられます。実際に子孫なのかは不明ですが、各家にそのように言い伝えられているのかもしれないですね。小泉藩士族の履歴表には源平藤橘以外に『菅原』『越智』『穂積臣』が見られます。越智と穂積臣は物部氏系のようです。こういったことも調べてみると色んな発見があり興味をかきたてられます。

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  2. 早速「源平藤橘」の事を教えて頂きまして有難うございました。先祖を辿るうちに、はるか昔だと思っていた江戸時代が何だか近くに感じられて益々興味が湧いてきました。今後の投稿、楽しみにしております!

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